橋本晴男JAWHO理事は、2024年5月22日(水)~25日(土)に広島国際会議場で開催された、公益社団法人日本産業衛生学会主催の第97回日本産業衛生学会において、産業衛生技術部会の研修会とフォーラムで座長および講演を行いました。
産業衛生技術部会専門研修会「自律管理の時代における技術者と技術専門職の倫理-測定などに関して」:座長
法令改正により2024年4月から「自律的な化学物質管理」が本格施行となりました。事業主には、労働者の安全衛生の確保に向けて正に自律(自ら律する)した倫理的な行動が求められると共に、事業主を支援する技術者や技術専門家にも同様の倫理観が求められます。この背景のもと、日常業務における倫理上の問題を具体的に取り上げ、その対処方法と課題に関しディスカッションを行いました。会場からは複数の産業医を含め多くの率直な事例や意見が出され、この問題の重要さが再認識されるとともに、学会全体の倫理綱領を踏まえて、技術部会独自の行動指針が必要であるという方向で意見が一致しました。
産業衛生技術部会フォーラム「化学物質の事実的管理の実践現場のリスクアセスメントの測定」
演題:「複雑・多様化している測定の選択肢-どう解釈しどう選ぶか,健康診断への連携を含めて」
自律的な化学物質管理が本格的に始まりました。作業場での化学物質のリスクアセスメントがこの管理の中心の課題となり、その手段として測定は最も基本的かつ重要な位置を占めます。今回の法令改正で必要な測定の数が増え、従来からの測定、および今後の「自主的測定」を加えて、わが国の作業場における測定は非常に複雑な様相を呈してきています。そこでこれらの測定について再度整理し、事業場を指導する化学物質管理専門家等、第一線でリスクアセスメントを行う化学物質管理者や作業環境測定士、および健康診断等に関し支援する産業医、産業保健看護職を対象に、総括的な解説をわかりやすく行いました。