JAWHOセミナー「見えないカビの恐怖!住まいと健康を守るための最新カビ対策セミナー」での質疑応答の要約を掲載いたします。
質疑応答
Q1. 沖縄県の物件を保有しています。カビの地域的特性と、それに応じた対策についてご教示ください。
A1. 日本は南北に長く、地域によって気候風土や主に生息するカビの種類が異なります。沖縄県のような高温多湿な地域では、特に高い温度を好む「高温性」のカビが発生しやすい傾向にあります。対策としては、一般的な湿度管理や換気に加え、以下の点が重要となります。台風などの後、建物内に侵入した湿気を徹底的に乾燥させ、残さないこと。高温性のカビが発生した場合を想定し、それに対応できる除去方法や薬剤を検討しておくこと。空気清浄機などを活用し、室内の空気清浄度を高く維持すること。
Q2. 一度カビが発生してしまった古い建物は、どのように復旧すればよいのでしょうか?
A2. 建物の復旧にあたっては、まずカビの発生状況(範囲、期間、原因)を正確に把握することが重要です。梅雨や結露などによる短期的な発生であれば、比較的除去は容易です。その際は、市販の防カビ剤などが有効ですが、原因となっているカビの種類を特定し、そのカビに有効な成分を含んだ薬剤を選定することが不可欠です。 薬剤の選定を誤ると、十分な効果が得られない可能性があるため注意が必要です。
Q3. カビの発生要因や、発生までの期間、メカニズムについて教えてください。
A3. カビの発生は、その空間の環境条件(温度、湿度、栄養源)に大きく依存します。長期にわたり根付いたカビの完全な除去は困難を伴いますが、短期的に発生したものであれば薬剤による対処が可能です。ただし、薬剤処理は一度で完了するとは考えず、一週間程度の間隔を空けて複数回実施するなど、カビを根絶するための徹底した対応が再発防止の鍵となります。
Q4. カビによる健康被害に対し、個人で実践できる対策には何がありますか?
A4. 専門家からは、以下の対策が推奨されています。
- ペットの毛やフケの管理:屋内で飼育する犬や猫の毛は、ケラチンを栄養源とするカビの温床となり得ます。抜け毛やフケは、掃除機などで速やかに除去し、常に清潔な環境を保つことが健康管理の基本となります。
- 空気清浄機および除湿機の活用:空気清浄機は、アレルゲンとなるカビの胞子やダニの糞・死骸を効率的に除去します。また、除湿機を用いて室内の湿度を物理的に低く保つことは、カビの発生・増殖を抑制する上で非常に効果的です。特に寝室や浴室脱衣所などでの活用が推奨されます。
Q5. 「ホコリ=カビ」という関係性について、もう少し詳しく解説してください。
A5. 「カビはホコリに抱きつくように存在する」と認識することが重要です。したがって、カビ対策の根幹はホコリの管理にあると言えます。特に、カビが発生している環境下のホコリは「カビを大量に含んだホコリ」であり、これが空気中に浮遊することは健康上のリスクを高めます。空気清浄機などを活用して空気中のホコリを効率的に除去することが、カビやアレルゲンの吸引リスクを低減させるための有効な手段となります。